※動画
目的
・頚部深層屈筋群の活性
・頚椎アライメントの最適化
手順
①仰臥位で丸めたタオルの上に頭を置く
②後頭部全体をタオルに当て、顎に指をあて、床方向に軽く押し付け引き込む(3〜5秒)
③一度脱力し、再び動作を反復する
注意点
・顎をグッと引いた時に顎下の筋肉をしっかり感じる。(知覚があるかどうかを確認)。
・動作中、床から頭部が離れないように注意する。
動作にあまり慣れていない方ですと、頚部の筋肉を過剰に緊張させ(特に胸鎖乳突筋)てしまう場合があるので、その際は第三者がティルトを徒手的にサポートすることも有効となる。
※後頭下筋群は筋紡錘の数が密になるため、指を立ててしまったり、強刺激を与えてしまうことで余計に緊張を与えてしまう恐れがあるので十分に注意すること。
エクササイズとその理論的背景
頚椎深部屈筋群(頭頂筋、頸張筋、外側頭直筋、前頭直筋、舌骨筋)の収縮は上部頚椎の屈曲に関連し、また上部頚椎の屈曲を単独で行う運動には胸鎖乳突筋と斜角筋の関与が減少します。
頭部前突姿勢(ストレートネック)に対する頭頸部のアプローチとして非常に有用となるエクササイズです。
表層の胸鎖乳突筋や斜角筋の収縮が過剰に入ってしまうといった場合は、先にリラクゼーション系のエクササイズや呼吸補助筋群の抑制のためのアプローチから実施し、過剰な緊張を抑制したのち、行うことを推奨致します。
臨床的観点では、頚部屈曲運動を行う際は、背臥位で上肢挙上位(肩関節90°、外旋90°)をとらせると下位頚椎の屈曲運動が生じづらく、深層筋群の収縮による運動が得られやすいです。
※仰臥位で頭部前突のような代償運動が出てしまう場合は、重力による抵抗を除いた座位や立位から実施するのも有効となりますので、個人の状態に合わせて段階的にプログレッションしていきましょう。