頚椎の機能障害におけるアプローチの目標は頭部ー頚椎ー胸椎のアライメントを改善し、頚部の適切な機能を獲得することとなる。
治療アプローチとしては徒手療法と運動療法の併用がエビデンスが高く支持されています。1)
当サイトでは徒手療法で期待できる効果(可動域の制限因子の改善)をセルフリリース、セルフストレッチにて補います。
症状の経過観察
機能評価によって問題点を特定し、その問題に対するセルフケアを選択、実施したのちに再評価を行い、どのように改善したかどうかを効果判定します。
初期に評価した可動域の制限などは改善されたが、症状は改善しないといったケースも起こるのが身体というものです。そのような場合はさらに根本的な原因を特定するために他関節からの影響はもちろんですが、「疼痛の理解、栄養的問題、生活習慣、呼吸、自律神経」など”目で見える機能評価”とはまた別の視点から包括的な評価を行う必要があります。
※各テーマ毎に順次解説していきます。
頚椎アプローチのステップ
当サロンでは、主に頚椎の機能不全によって引き起こされる症状に対してセルフリリース・セルフストレッチにて制限のある軟部組織を抑制し、その後エクササイズ(運動療法)によって適切な筋機能の再獲得を目指します。
セルフリリース/セルフストレッチ
セルフリリース/セルフストレッチの主目的は、軟部組織(筋・筋膜)のリリース、そして可動域制限の改善となります。
頚椎におけるセルフリリース/セルフストレッチでは主に後頭下筋群、胸鎖乳突筋、肩甲挙筋の抑制となり、機能評価にて胸椎の可動域制限がある場合は、その領域も含めた可動域の獲得を目指していきます。
エクササイズ/運動療法
機能評価にて可動域制限が解消されたのち、新たな可動域の中で適切な筋機能(運動出力、神経筋コントロールなど)の獲得を目指します。
症状の軽減に伴い段階的に、頚椎の安定性と上肢との分離運動など、全身の統合的アプローチへとプログレッション(運動強度や難易度をあげること)していく。
※痛みを伴う場合は原則として避けること
<参考文献>
1)Miller J, Gross A, D'Sylva J, Burnie SJ, Goldsmith CH, Graham N, Haines T, Brønfort G, Hoving JL. Manual therapy and exercise for neck pain: A systematic review. Man Ther. 2010 Jun 1.